こんにちは、ひらきです。
役者活動の他に、ドラマ制作や舞台プロデュースといった所謂スタッフとしてもお仕事をいただいている僕ですが・・正直言って今の日本の芸能界の環境は首を傾げてしまうことが多々あります。
今の日本の芸能界に対する僕の思いとして、今回は『今の日本の芸能界は「格差」と「理不尽」と「過酷な労働環境」』というテーマでお話させていただきます。
【プロフィール】
ひらき(@khiraki0201)
芸能プロダクション/株式会社K’sLink代表取締役。
→https://kslink.jp
10代から20代にかけて「芸能界で生きる」ためのノウハウを学び、30歳で起業。役者、アクション/スタント、ドラマ制作、舞台プロデュース、キャスティング、脚本や演出など幅広く活動中。
詳細や芸歴はこちら
・なぜ諸外国に比べ〝時代遅れ〟になっているのか?
・これからの日本のエンタメはどうすればいいのか?
今の日本の芸能界は「格差」と「理不尽」と「過酷な労働環境」
「芸能界は華やかな世界」
なんて、多くの方は思うでしょう。
確かにテレビの中で大いに騒いでいる芸能人を見ていると、そんな風な印象を持ってしまうかもしれません。
しかし、
皆様の見えていないテレビ業界の〝背景〟というのは「格差」と「理不尽」と「過酷な労働環境」で溢れているのです。
演者とスタッフの「格差」
「芸能人=偉い」と勘違いされてしまうこの業界、そもそもこれが大きな間違い。
と言っておきます。
あくまで〈部署〉が違うだけで、同じ作品を手がけるチーム内でそこに「格差」があってはいけないのです。
ドラマ制作に例えますと、以下のような感じ。
・制作部
・撮影部
・照明部
・録音部
・衣装部
・メイク部
・美術部
・車輌部
そして…俳優部などなど。
細かく分けるともっとあります。
このように分かれているのです。
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会社で例えると「企画・開発部」「営業部」「人事部」などですね。
そこに上下関係はありません。
演者のために走るスタッフ
にも関わらず、現場でのタレントはまるで貴族のような扱い(過保護)を受けています。
・タレントが疲れていたら、走って水を持ってくるスタッフ
・タレントの呼びかけに、走って応答するスタッフ
などなど。
それが当たり前のようになっている現場。
これは果たして「正常な環境」と呼べるのでしょうか?
皆さまの働いている環境はどうですか。
勘違いして欲しくないが「偉い」わけではない
先ほども言いましたが、「芸能人=偉い」というのは大きな間違いなのです。
特に今の時代、「格差」という言葉に日本人は敏感になっています。
昔からの芸能界の風潮もあると思いますが、時代の変化に合わせて現場環境もそれに適応しなくてはなりませんね。
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ブラック企業のような「理不尽」
そしてエンタメ業界にも関わらず、そこに生じてしまうのが「理不尽」です。
上司の言葉に振り回され、自分の意見すらもまともに受け取ってもらえない。
そんな風に感じてしまう20代が多くいるのです。
ひと昔前だったら「年功序列」や「経験値」は仕事の上で最重要になっていましたが、今や若い世代というのはアイデア・発想の宝物です。
「まだ若いんだからダメだ」
この一言で本人のエンタメを潰してしまった現場を何度も目にしてきました。
(ここ数年、こういった環境は格段に良くはなってきましたが…)
自分の才能を活かすことが出来ず、芸能界を辞めていってしまう人がたくさん居るんですよね。
タレントの一言で大騒ぎ
「ちょっと寒いね」
「なんだか小腹が空いたね」
こんな些細なタレントの一言が、現場を大騒ぎにしてしまいます。
空調を温めるためにスタッフはまた走り回り、スケジュールを変更して食事休憩を早めたり。
(少し大袈裟な言い回しですが…)
動き回っているスタッフは更に汗だくになり、スケジュールを変更となるとその後の段取りも組み直さなければなりません。
全てはタレントファースト、これが実状です。
古い習慣から抜け出せない「過酷な労働環境」
そもそも日本は先進国にも関わらず、他の諸外国に比べ経済成長が遅く、30年近く社会人の給与所得は変わっていません。
消費税の増税・物価上昇・年金問題・悪い円安…
など、マネーリテラシーが低い国民はどんどん貧乏になっていっています。
というお話は長くなるので別の機会として、芸能界も同様に、何十年も労働環境に変化がないのです。
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「働き方改革」により多少の労働システムの変化はありましたが、それは会社員として働く制作スタッフのみ。
芸能界で活動する多くの人は「フリーランス・個人事業主」になるので、働き方改革と言えど労働状況に大きな変化はありません。
労働時間が短くなれば、その分収入は減ってしまいますからね…。
考え方・システムを根底から変えないとますます衰退・・
僕は今の日本の芸能界のシステムを「根底から変えないと本気でやばい…」と思っています。
昔からの考え方に縛られ、頭カチカチの年配者たちが上層を仕切っているようでは環境の変化は見込めません。
(まるで日本の政治家のようです)
僕たちはお客さまに「エンタメを届けている」のですから、どんどん新しい発想を生み出していかなければいけないのです。
他の諸外国にどんどん置いていかれる日本のエンタメ
ここ数年、急激に増えているのが〈HuLu〉や〈NETFLIX〉と言った月額課金制のドラマ・映画見放題サイトです。
月々1,000円前後で見放題というのはかなり画期的で、レンタルビデオ屋などは利用しなくなりましたよね。
そして海外の作品をより身近に観る機会が増えました。
その分、日本の作品の「質の低さ」がより目立つようになってしまったのです…。
僕は韓国の映画制作チームとお仕事をご一緒させていただいた時がありますが、日本の機材よりもコンパクトでスマートに、人員も無駄な人数は削減してごく少数で映画をつくっていました。
「これでは差をつけられて当然だな…」
と、素直に感じてしまいましたね。
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日本経済の衰退も原因の一つ
先ほどチラッとお話しました。
僕は日本の芸能界の質の低さは、日本の経済の衰退から繋がっているのではと思っています。
減少する製作費、出演料・ギャラの減額、物価上昇に伴い増額する撮影使用料やお弁当代。
これらは日本のエンタメ事情というよりは、確実に日本経済がリンクしています。
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これからの芸能界で活躍していくには、世界情勢と日本の経済状況も勉強しておいた方がいいですよ。
これから日本のエンタメはどうしていけばいいのか・・
日本のダメなところを言ってもそれだけで終わってしまうので。
最後に「今後どうしたらいいのか?」をお話していきますね。
根本的な働き方システムから改善したほうがいい
冒頭でも言ったように、今の日本の芸能界は根っこの部分から改善していかないと確実に衰退していく一方だと感じています。
日本人のDNAは「古き習慣を大事にする」が組み込まれています。
伝統を大事にすることはとても素敵なことだと思いますが、それでは時代の先駆者たちがせっかくつくりあげてきた便利なテクノロジーやシステムを有効に活用することが出来ません。
最先端の技術や知識をどんどん取り込むようにしないと、ますます諸外国に遅れをとってしまいます。
労働環境の見直し
朝6時に集合、終了は22時。
これがドラマ撮影現場の大体の拘束時間です。
ひと昔前はもっと過酷でした。おまけに休みはほとんど無し、これでは身体にもメンタル(精神)にも良い訳がありません。
若い子は一年と持たず辞めていってしまいます。
昔は「働くことが美徳」とされていた時代がありましたが、今はプライベートを大事にする人の方が増えているのです。
「今の若い子は…」「おれたちの時代はもっと大変だったぞ」なんて言ってたら、それはただの〝老害〟です。
若い世代から見たら「これだから今の年寄りは…」となってしまいます。
まずは「若い世代がどうすれば続けることができるのか」を考えるべきです。
製作費の見つめ直し
作品にかける製作費も見つめ直した方がいいですね。
円の価値はものすごい勢いで変動しています。
物価の上昇も止まりません。
にも関わらず、
昔と同じ感覚で予算を組んでいては、そりゃ赤字になりますよ。
製作費が回らないなら、
・高額な出演者のギャラを減らす
・無駄な人件費を削る
・タレントのわがままを減らす←これが一番コスト削減
このくらいの工夫は必要ですよね。
若い世代に〝希望〟を持たせる
僕がエンタメ業界で一番大事にしたいことは、「若い世代に〝希望〟を持たせる」です。
ほとんどの方が「芸能界に携わりたい、活躍したい」と熱い気持ちを持って飛び込んできます。
しかし、芸能界の過酷な裏側を知った時に幻滅してしまうのです。
僕たちはエンタメを生業としています。
毎日のワクワクを、お客さまに届ける仕事です。
そんな彼ら彼女らが、夢も希望も持たなくなったらどうなるでしょうか?
エンタメ界はただの労働になってしまいます。
どうか、今の日本の芸能界の実状を知っていただきたい。
【おわり】
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今回は『今の日本の芸能界は「格差」と「理不尽」と「過酷な労働環境」』というテーマでお話させていただきました。
あくまで僕自身の観点になりますので、鵜呑みにせず「エンタメは面白い」を考え続けてください。
少しでも参考になってくれたら嬉しいです。
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ひらき(@khiraki0201)