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「エンタメができない?」コロナ禍での舞台公演実施にて学んだこと

こんにちは、ひらきです。

僕が主催した舞台「海はつなぐ」が先日、無事に幕を降ろすことができました。

本当に本当に多くの方に支えられ、感謝の気持ちでいっぱいでございます。

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と、これまでの舞台公演でしたら

「みなさん本当にありがとう」

「これからも新しい挑戦をしていこう」

といった感じで終わるのですが、今回の〈新型コロナウィルス〉騒動の最中での舞台公演はなかなか大変な経験をさせていただきました。

今回は『「エンタメができない?」コロナ禍での舞台公演実施にて学んだこと』というテーマで、コロナ禍で実施した舞台公演の体験談をお話させていただきます。

※〈新型コロナウィルス〉が収束していない情勢下、これから舞台公演を考えているという方は参考にしてみてください。
ひらき

【プロフィール】
ひらき(@khiraki0201
芸能プロダクション/株式会社K’sLink代表取締役。
https://kslink.jp
10代から20代にかけて「芸能界で生きる」ためのノウハウを学び、30歳で起業。役者、アクション/スタント、ドラマ制作、舞台プロデュース、キャスティング、脚本や演出など幅広く活動中。
詳細や芸歴はこちら

・コロナ禍での舞台公演における感染予防対策
・舞台公演を実施することで生じるリスク
・これからの舞台公演のあり方

「エンタメができない?」コロナ禍での舞台公演実施にて学んだこと

まず、結論から言いますと「コロナ禍での舞台公演はもうこりごり」だということです。

はい、弱音吐きました。

というのも企画段階から舞台稽古、そして公演本番と常に「本当に公演ができるのか」という不安と葛藤し続け、頭の中は作品のことよりも感染リスクのことばかりになっていました。

・出演者の中から感染者が出てしまったらどうしよう
・お客様に安心してお越しいただくためにはどうしたらいいか
・果たして集客はできるのだろうか

こんなことばかり考えていると本当に嫌になってきましたよ笑

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出演者・スタッフ・お客様への気遣い

今回いちばん気疲れしたことが、出演者・スタッフ・お客様への感染に対する気遣いです。

メンバー集めの段階で、感染に対しての注意事項や公演が〝もし〟中止になってしまった時の対処などを説明するところから始まりました。

↑本公演で作成した、出演者・スタッフに向けての〈感染予防ガイドライン〉です。よければ参考にしてみてください。

・朝起きてからの検温
・稽古場に来てからの検温
・劇場に入ってからの検温

出演者はもちろん、スタッフもお客様もまずはこれを徹底しました。

さらにはこのような対策も。

・1時間おきのこまめな換気
・小道具や椅子・テーブルのアルコール除菌
・稽古中は常にマスクの着用

などなど。

そして必要最低限のこと以外の会話は極力控え、飲み会などはもちろんNG。

そのおかげで出演者同士のコミュニケーションは激減しました。

時間とコストがかかる

それによりどんなことが生じたか。

〈時間の浪費〉と〈コスト〉が異常にかかってしまいました。

検温やアルコール消毒だけで稽古時間は削られていき、それに伴う体温計や除菌グッズ代金は決して安くはありません。

劇場のお客様のために

今回は文化庁から〈文化芸術活動の継続支援事業〉があったため、経費の採算がとれましたが、本来でしたら赤字の出費となっていました。

この支援事業がなくなってしまったら、ただでさえ運営の厳しい舞台公演事業は成立しなくなってしまいますね。

感染のリスクはもちろん、周りや世間の目を気にしてしまう

実はメンバーやお客様の感染のリスクよりも恐れていたことがありました。

それは〝世間の目〟です。

僕はこの度の〈新型コロナウィルス〉騒動で〝人の心の闇〟が浮き彫りになったように感じました。

「自粛警察」と名乗る訳のわからない連中や、感染してしまった方をまるで犯罪者のように煽るメディアやそれに同調する無知な人たち。

なんだか醜いですよね。

毎日のようにコロナ関連のネガティブなニュースばかり流れていると「こんな状況の中で舞台公演なんか信じられない、やるんじゃねえよ」なんて声が聞こえてきそうでした。

実際に、僕の周りはこのようなことを言う方がほとんどでした。

「辞めておきなさい」
「いま無理に公演をする必要はない」
「感染者が出たら責任がとれるのか」

言っていることはごもっともです。

しかし、この状況がいつまで続くのでしょうか。

終息を待っていたのではキリがありません。

そんな理由で僕は公演の実施を決意したのです。

キャスティングから大変

しかしいざ動き出してみると〝大変〟の一言です。

まず公演実施のキャスティングから難航してしまいました。

他の芸能プロダクションさんにキャスティングオーディション募集を募っても「この時期の舞台公演は遠慮しています」という声ばかり。

そりゃそうでよね。

感染リスクの危険のある場所に、自社の商品であるタレントを派遣したくないですもんね。

僕も逆の立場だったら、自分の会社のタレントをわざわざ危険なところに送り出したくないかもしれません。

覚悟を持った総勢16名のキャストには本当に感謝です。

集客への不安

そしてみんなが不安になっていたのが〝集客〟です。

舞台公演の売上というのは、そのほとんどが劇場に足を運んでくださったお客様から得られるものになります。

しかし劇場というのは明らかに〈3密〉空間。

年配のお客様などは公演に行くことを躊躇ってしまいますよね。

「来られないお客様はDVDにて観劇してください」

という呼び込み方で、DVDの値段をチケットと同じ値段にしました。

チケットノルマ(※出演者が前以って決められたチケット代を支払うこと)がある舞台は、チケット代とDVD代を同じにすることでDVDの売上もノルマの数に含めることができます。

本公演はそんなやり方で出演者のお財布の負担を減らすような試みも致しました。

公演当日の問題

そして何と言っても大きな課題となったのが舞台本番のお客様への対策です。

・スタッフはマスクにフェイスシールド
・お客様全員への検温
・密を避けた座席の配置
・公演ごとに全てをアルコール除菌
・本番中の出演者のマウスシールド着用

などなど。

特に最後の本番中のマウスシールドの着用は本当に悩みました。

作品の世界観が完全に壊れてしまいますからね。

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また、本番を終えてからでも気は抜けません。

千秋楽を終えてからの最低2週間は感染の恐れがありますから。

実はこの記事を書いている時点では本公演が終わってからまだ1週間しか経っていない状況です。

出演者もスタッフもお客様も、何事もないことを祈ります。

【正直な感想】この環境での公演は懲りました、

冒頭でも言いましたが、僕はこの騒動の中での舞台公演は本当に懲りました。

というのもエンタメの世界に集中できなくなってしまうのです。

意識が散漫し、みんなの心にも不安や心配が募ってしまいそれだけで疲労が蓄積してしまいます。

僕自身がまだまだ未熟なところがあるからというのもありますが、やはり〝無理して公演はするべきではない〟という結論になりました。

無事に終えることができたのは、本当にみんなの力があったからです。

【まとめ】それでも作品をつくりつづけなくてはいけない

最後まで読んでいただきありがとうございました。

僕たちはエンタメをつくり続けることが仕事です。

世界がどんな状況だろうと、その変化に対応しながら常に新しい作品をお客様に提供しなくてはなりません。

僕は今回の公演でいろんな意味で大変勉強になりました。

「力を合わせればどんな状況でも戦える」

と確信しましたね。

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株式会社K’sLinkホームページ

ひらき(@khiraki0201

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