こんにちは、ひらきです。
いきなりですが、演劇について厳しいことを言います。
なんてかなり極論ですが、この記事はあくまで「僕の演劇論」になりますので、役者を目指している方は参考程度にお聞きください。
この記事では『【舞台演劇】役者は魅せることが優先「感情で芝居をするな」という考え』というテーマでお話していきます。
↓今回はこちらの書籍も参考にさせていただいています。
【プロフィール】
ひらき(@khiraki0201)
芸能プロダクション/株式会社K’sLink代表取締役。
→https://kslink.jp
10代から20代にかけて「芸能界で生きる」ためのノウハウを学び、30歳で起業。役者、アクション/スタント、ドラマ制作、舞台プロデュース、キャスティング、脚本や演出など幅広く活動中。
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・どうしたらお客様に表現が伝わる
【舞台演劇】役者は魅せることが優先「感情で芝居をするな」
特に小劇場などの〈舞台演劇〉で多く見られることなのですが、多くの役者が「感情で芝居をしてしまっている」のです。
この記事では「感情で芝居をするな」ということをお伝えしていくのですが・・。
しかし役者を目指している方なら分かると思いますが、芝居をする上で〝感情〟というのはもちろん大事なものです。
〝感情〟がなければ良い表現をすることはできません。
しかし感情に頼って芝居をすることは芝居とは言えません。
矛盾しているように聞こえると思います。
順番に説明していきますね。
先行して感情を作ってはダメ
これが芝居をすることだと僕は考えています。
しかし、役作りをする上でやってはいけないことが「先行して感情をつくること」です。
確かに感情は大事ですが、そこを重要視してしまうとただの「自己満足」になってしまいます。
つまりお客様へ提供する表現からかけ離れてしまうのです。
つまりそれは芝居ではないのです。
理由その①:何を言っているのか分からない
特に小劇場などの演劇を観に行くと、主に20代〜30代の役者たちが活躍しています。
彼らは確かに演劇に対する想いが強いため、とても熱量のある芝居を魅せてくれます。
しかしここで残念と感じてしまうことがあります。
それは「何を言っているのか分からない」ということです。
自分の感情を高めてしまいすぎいて、客席の方にうまく言葉を伝えられていないのです。
↑きっと多くの役者がこんな経験をしているのではないでしょうか?
どうしたらうまく言葉を伝えるか、後ほどお話しますね。
理由その②:何をしているのか分からない
同様に、感情に任せて芝居をしてしまうと「何をしているのか分からない」というのも見受けられます。
その物語の中で生きることは役者として素晴らしいことです。
しかしそれをリアルにやり過ぎてしまうと、客席には何をしているのか伝わらなくなってしまいます。
演出次第になってきますが、お客様に表現を伝えることは演劇としての基礎となるのではないでしょうか。
理由その③:お客が冷めちゃう
・「感情に酔っている自分をみてくれ」
・「人前で泣くことができるんだぜ」
舞台の上でこんな風に思ってしまうことはありませんか?
これではお客様は冷めてしまいます。
僕はこれで「うわ〜、自分に酔ってるな〜」と感じてしまいます。
優先すべきは「自分の感情」ではありません。
お客様に「どう伝えるか」です。
自分が気持ちよくなっちゃうのはNG
かの蜷川幸雄さんは演劇の演出をつける際、役者の感情よりもお客様に伝えるための台詞の言い回しを重要視したと聞きます。
役者よりも常にお客様のことを考えていたのです。
・どうしたら最高の表現ができるのか?
このためには「役者自身の感情」は二の次と考えていたのです。
役者が自分で気持ちよくなってしまうことは「お客様の目線から考えるとNG」なのです。
どうしたらお客様に伝わるのか?
「過度な感情を込めた芝居はお客様への表現にはならない」
これを理解していただけたでしょうか?
はい、お答えしていきますね。
といっても、表現の世界は奥が深いです。
答えなんてありません。
これも参考程度に聞いてください。
台詞の言い回しや身体を使った表現
芝居をするために基本的なことは〝表現〟ですよね。
「与えられた台詞を使った表現」
「物語を生きるために身体を使った表現」
これらが備わっていないと、とてもじゃないですが〝芝居〟とは言えません。
例えば台詞の言い回しとして以下の5つの要素があります。
②台詞の「間」
③台詞の「強弱」
④台詞の「高低」
⑤台詞の「音色」
これらを使うことで、お客様へ台詞を伝えるための表現力は格段に上がります。
また、身体を使った表現も怠ってはいけません。
芝居をしている時、あなたはどのように自分の身体が動いているか把握していますか。
・稽古中は常に動画を撮る癖を身につけてください。
そうすることで身体表現は格段に向上します。
あくまでお客様へのパフォーマンスということを意識
そして大事なことは「芝居はお客様へのパフォーマンス」だということです。
いま自分がお客様へどのように見えているのか?
これを絶えず意識することが表現するということです。
何度も言いますが、役者自身の感情などお客様は求めていません。
求めているのは役者が演じている表現であり物語なのです。
芝居は段取りです
とある現場でこのように言う役者がいました。
「それはただの段取りじゃないですか」
「この台詞では泣くことはできません」
これは完全に芝居をはき違えています。
芝居とは〝段取り〟なのです。
台本に「泣く」と書かれていたらそこで泣かなくてはいけないし、演出が「こうしてくれ」と言ったらそれに従って動かなくてはいけません。
感情に任せた芝居をしている方は、ここでつまづいてしまいます。
どうですか?
心当たりのある方はいませんか?
【結論】結局はバランスが大事
と言っても「感情を殺せ」なんて言うつもりはありません。
もちろん〝一切の感情なし〟では表現はできませんから。
大事なのはバランスです。
感情を込め気持ちをつくりつつ、そこに表現の技術を上乗せする。
一流の役者はこうしてその物語の中で役柄を「演じている」のです。
感情と表現のバランスは数字では表せません。
こればかりは経験を積み重ねて追求していくしかないのですね。
【まとめ】芝居の追求はゴールがない
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回は『【舞台演劇】役者は魅せることが優先「感情で芝居をするな」』というテーマでお話させていただきました。
偉そうなことを言ってきましたが、僕自身も常に芝居の追求をしています。
何十年も役者生活をしているような方でも、表現のゴールは見つけられていません。
むしろ芝居にはゴールなんてありませんよね。
だから多くの方が踠き苦しんでいるのです。
いやー、だから芝居って面白いんですよね。
↓今回の参考書籍はこちら。
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