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舞台芝居は全身と空気を使った表現、映像は心を使った表現

こんにちは、ひらきです。

表現って奥が深いですよね。

お客様に伝えるためにどうしたらいいか、表現力を深めるために何を勉強すればいいか。

この記事では『舞台芝居は全身と空気を使った表現、映像は心を使った表現』というテーマで、珍しく「表現のテクニカル的な部分」を僕なりの観点でお話していきます。

「私はこういう風に考えている」

とか

「こういう風に勉強している」

とかあれば、遠慮なくコメントしてください。

ひらき

【プロフィール】
ひらき(@khiraki0201
芸能プロダクション/株式会社K’sLink代表取締役。
https://kslink.jp
10代から20代にかけて「芸能界で生きる」ためのノウハウを学び、30歳で起業。役者、アクション/スタント、ドラマ制作、舞台プロデュース、キャスティング、脚本や演出など幅広く活動中。
詳細や芸歴はこちら

・舞台と映像の表現の違いとは?
・表現に対する歩み方とは?

舞台芝居は全身と空気を使った表現、映像は心を使った表現

まず結論、

舞台上での表現と、ドラマや映画のような映像での表現は全くの別物です。

ということを大前提でお話していきます。

僕たち役者にとって、舞台の仕事と映像の仕事は大きく違うのです。

「演技するならどちらも同じじゃないの?」

なんて思われそうですが、説明します。

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舞台上の表現は「お客様にどう伝えるか」を意識する

舞台上での表現の場合、目の前にはたくさんのお客様がいます。

テレビと違い、お客様の視点は360度。

ステージの端から端まで観られていて、自分の姿のどこからどこをどんな風に観られているかお客様次第なのです。

ステージに上がっている以上、当たり前ですが気を抜くことは許されず、「常に全身を観られている」という意識を持つことが大事なのです。

そして映像と違い、「ステージという限られた空間」の中でその作品の世界観・空気感を伝えなければいけません。

ここが本当に難しいのです。

一つの空間で場面の切り替え

映像と違い、舞台は同じ空間でいくつもの場面を切り替えていかなければなりません。

映像だったらカメラを切り替えれば場面が変わりますよね。

舞台の登場人物は、衣装やメイクを変えてその物語の場面を切り替えます。

しかし空間は同じステージのまま。

この時点で映像作品とは全くつくり込みが違うのです。

舞台上は全身をつかった身体表現

また、映像のようにカメラアングルで「良い部分」を切り取って編集してくれるわけではないので、身体全身をつかって表現しなくてはなりません。

頭の先から足のつま先まで。

お客様の視界に入る部分は全て表現者でなくてはならないのです。

はい、相当神経使いますよ。

こればかりは経験者じゃないと分からないかもしれませんが、立っているだけでも汗をかくレベルです。

それほど表現というのは緊張感の高いものになるのです。

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映像の表現は「その人物になりきれるかどうか」を意識する

簡単な言葉では言い表せませんが、

舞台の表現は「外見上の演技」、映像の表現は「内面上の演技」とざっくり言っておきます。

もちろん、舞台上でも「内面的な表現」は必要になりますし、映像の世界でも「外見的な表現」が必要になります。

何をどう意識するかはその表現者にもよりますし、監督やプロデューサーの意向にもよります。

あくまで意識的なやつです。

気持ちを繋げておくのが難しい映像現場

舞台と違い、ドラマや映画は「カット割」というものが存在します。

一つのセリフを言うだけでも、カメラアングルを切り替え何回も何十回も同じことを繰り返すことなんて当たり前です。

その間、難しいのは「気持ちを繋げること」です。

例えば「泣きの芝居」の時に、その感情を同じ状態で何度も繰り返さなければなりません。

撮影日が異なっても、そのシーン自体が繋がっている場合、以前撮ったシーンと全く同じ気持ちをつくっておかなければ編集で繋げることが困難になります。

それほど「気持ちを繋げること」は容易ではないのです。

気持ちから言葉を発す

映像と違い、舞台は「稽古」というものがあります。

規模にもよりますが、長いところだと何ヶ月も前から台本を渡され、何ヶ月も共演者たちとその作品について試行錯誤しながら世界観づくり、セリフの掛け合い、スタッフとの綿密な打ち合わせを進めていきます。

「どういう風に動いたらお客様に伝わるか?」

「どういう風にセリフを言えば相手に伝わるか?」

これらに何ヶ月も費やすのです。

しかし映像は稽古がありません。(稀にありますが)

撮影日、テストをやったらもう本番です。

どんな場所で撮影するかも、出演者は本番日にならないと分からないことがほとんどです。

なので出演者は本番日までにセリフを完璧に覚えることはもちろんのこと、しっかりとその登場人物の心情をつくっておかなければなりません。

「こういう風に喋って」

なんて舞台稽古のような指示はありません。

気持ちをしっかりつくった上で発せられるその言葉が、その人物の表現になるのです。

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正解のない表現の世界

冒頭でも言ったように、表現の世界は奥が深すぎます。

おまけに正解はありません。

舞台も映像も、ほとんどの作品はファンタジーです。

僕は主に〈時代劇〉を中心に作品を手がけていますが、中にはロックな生演奏を取り入れたり、振袖なのにポップな今風のダンスを取り入れたりします。

つまりお客様を楽しませればどんなことをやってもいいのです。

「舞台だからこうでなくてはいけない」

「映像だからこういう表現をしろ」

なんて言うのはナンセンスです。

作品に対して、十人十色のお客様の意見があるように、表現者にもその数だけ表現方法があるのです。

今回はそのほんの一部、まだまだ語り尽くせませんよ。

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【おわり】

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今回は『舞台芝居は全身と空気を使った表現、映像は心を使った表現』というテーマでお話させていただきました。

冒頭でも言ったように、これはあくまで僕の思っている表現です。

何度も言うように、正解はありません。

表現論を交わしたところで、ゴールのない掛け合いが長々と続くだけです。

それにこんな短い記事で全てお話できる訳がありません。

それでも、ほんの少しでも参考になってくれたら嬉しいです。

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↓よければこちらの記事も合わせてお読みください。

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ひらき(@khiraki0201

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