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コロナ禍で見えた、これからの舞台興行に対する考え方とは・・

こんにちは、ひらきです。

この記事を書いているのが2020年8月末、今でも新型コロナウィルスの影響は終息の兆しが見えていません。

というか風邪やインフルエンザ同様に生活と一緒に共存していくしかないように思えます。

今回は『コロナ禍で見えた、これからの舞台興行に対する考え方』をテーマに、これからの舞台興行の働き方を考えていきます。

ひらき

【プロフィール】
ひらき(@khiraki0201
芸能プロダクション/株式会社K’sLink代表取締役。
https://kslink.jp
10代から20代にかけて「芸能界で生きる」ためのノウハウを学び、30歳で起業。役者、アクション/スタント、ドラマ制作、舞台プロデュース、キャスティング、脚本や演出など幅広く活動中。
詳細や芸歴はこちら

・これからの芸能活動の考え方とは?
・コロナを意識した舞台興行の働き

コロナ禍で見えた、これからの舞台興行に対する考え方とは・・

新宿の舞台公演で出演者・来場者合わせた大規模なクラスター感染。

さらには多くの舞台公演で感染者が相次いで出てしまった今回の新型コロナウィルス。

芸能界の中でも、舞台公演を生業としている業種は大打撃を受けています。

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僕自身もこの記事を書いている2020年8月末現在、自らプロデュースしている舞台公演の準備の真っ最中になりますが、かなり厳しい〈感染予防ガイドライン〉のもと稽古を行っています。

正直に言いますと、今回の騒動で多くの演劇関係者が業界を後にし、残念ながらいくつかの小さな劇場は幕を閉じてしまいました。

もし、この新型コロナウィルスの終息が見込めてもまたいつ同じような事態になるか分かりません。

そもそも今の日本の演劇業界はどうなっているのでしょうか?

文化庁のデータを元に考察していきますね。

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そもそも日本の舞台観劇人口は減少している

1970年代、演劇の世界は「ベルサイユのばら」や「ガラスの仮面」が流行っていました。

時代の流れとともに、演劇を楽しむための舞台観劇は、テレビやインターネットといったメディア媒体に移行していきました。

以下のグラフをご覧ください。

少々古いですが、デジタルコンテンツの市場規模というのは年々増加しています。

同時に、演劇の市場というのは2005年くらいから徐々に衰退していっているのです。

特に、今回のコロナ騒動の影響で多くの劇団が舞台公演のオンライン公演を実施しました。

それにより「舞台=オンラインでも楽しめる」というのが普及し、ますます劇場に足を運ぶお客様が減少すると考えます。

舞台公演は〈生〉で観劇してなんぼのもの。

さてさて、どうしていくべきなのか・・。

少し意識の低い日本の舞台観劇・・

自分の周りに、舞台観劇が日常生活に組み込まれている方っていますか?

たぶんほとんどいないと思います。

それもそのはず。

日本は欧米に比べ、舞台を楽しむという人口の割合が異常に少ないのです。

「週末は家族で演劇鑑賞をし、夜はディナーを楽しむ」

なんていう海外では当たり前の生活習慣。

日本でこのような家族をみたことはあるでしょうか?

僕は長いこと演劇の仕事に携っていますが、家族が一緒に舞台鑑賞に来るなどほとんどみたことがありません。

それほど、日本人にとっての舞台観劇は希薄なものになっているのです。

出演者とお客との距離をより近くする演出が裏目ってしまった・・

今回、大きなクラスター感染が発生してしまった舞台『THE☆JINRO-』では、これまでの舞台公演ではないようなお客様一体型の演出が行われていました。

「観る」というだけでなく、出演者と一緒になって舞台進行をしていくことによって、お客様自信が舞台に参加しているような感覚を味わうことが出来るのです。

「なかなか面白いアイデアだな」

と思っていましたが、このコロナ禍ではこれが裏目に出てしまったんです・・。

より〝密接〟となってしまうわけですからね。

たたでさえ、演劇界の未来はピンチ

先ほども言ったように、日本の演劇界はテレビやスマートフォンといったメディア媒体の普及とともに年々衰退傾向にあります。

実際に、僕の周りでも「舞台って観に言ったことがないなー」なんて方がほとんど。

その理由を尋ねるとこんな感じです。

・演劇にそんなに興味がない
・劇場まで行くのがめんどくさい
・チケット代が高い

などなど。

「演劇に興味を持ってもらう」なんてのはなかなか難しい問題ですし、チケット代も映画館に行くのと比べると倍以上値段が高いわけですからね。

これを解消するのはなかなか難しい問題です・・。

減少を続ける日本の人口・・

「少子高齢化」

なんてのは当たり前のように耳に入ってきている言葉になりますが、実際に日本の人口がどれくらい減ってきているかご存知ですか?

なんと年間50万人以上減っているのです。

例えるなら、東京の江東区の人口が一年間で丸々いなくなってしまう感じです。

このペースでいけば、2050年には日本の人口は1億人を切り、2060年には8,000万人ほどになってしまうと言われています。

約40年後には今の人口の3分の2程度です。

しかもそのほとんどが高齢者。

想像しただけでも恐怖です。

こんな状況下では、すでに集客に苦しんでいる演劇界はますます苦しむ一方です。

日本の社会的問題が、エンタメ業界にも大きな影響を与えてしまっているんですね。

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出演者も減ってきている・・

観劇するお客様が減ってきていると同時に、実は舞台に出演するキャストも減ってきているのです。

その理由として、以下のようなことが挙げられます。

・舞台稽古の拘束時間が長くてきつい
・役者としての収入がほとんどない
・お客が呼べない

などなど。

確かにドラマや映画といった映像案件に比べて、舞台出演というのは非常にコスパが悪いです。

稽古はおよそ2〜3ヶ月。

その間、アルバイトはほとんどできない状態になり集客のできない出演者は収入はほとんどありません。

〈チケットノルマ〉というシステムを課している舞台公演は、集客できなければ収入どころか出演すると逆に支払う形になってしまうことになってしまいます。

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「役者になりたい」

というよりも

「テレビタレントになりたい」

という子が多い今の芸能業界では、舞台出演はそこまで魅力的ではないのかもしれませんね。

やっぱり舞台公演は〈生〉の観劇が一番

今回のコロナ禍で、舞台公演はオンラインでの生配信を実施する団体が増えました。

わざわざ劇場に足を運ばずとも、自宅で気軽に公演を楽しむことができる。

確かにいい対策かもしれません。

しかし、舞台観劇の醍醐味って〈生〉だからこそ味わえる臨場感や役者の熱量なんですよね。

画面越しではこれは伝わりません。

画面で演劇を観るなら、それこそ映画の方がよっぽどクオリティは高いです。

舞台観劇の面白さをどうしたら伝えられるのか

では、どうしたら舞台観劇の面白さを伝えることができるのか?

これは僕たち役者にとって大きな課題の一つです。

日本人はエンタメに対する興味・関心が薄れています。

それは今のIT社会がそうさせているのかもしれませんし、長年の歴史がその習慣を作り上げているのかもしれません。

欧米のように「小学校の頃からミュージカルを授業の一環で行う」なんて教育改革でもすれば、演劇に対する意識が変わっていくのだろうけれど、日本は一度決めたルールを変えることがなかなか出来ないお堅い思考の国ですからね。

これは難しいでしょうね。

↓物語の中に、日本と英国の演劇の文化の違いが出てくる作品です。

役者としての観点から・・

最後に、役者としての僕からの観点を少しだけ。

僕は長いこと、ドラマや映画といった映像のお仕事も舞台のお仕事もたくさんさせてもらってきました。

その中で、やはり役者として輝く場所は舞台の上だと思っています。

もちろん人それぞれの意見がありますよ。

だからこそ、今回の新型コロナウィルス騒動は精神的にもダメージを受けています。

おそらく芸能界は元の環境には戻らないでしょう。

でもここで挫けていてはエンタメ業界はますます衰退していってしまいます。

世間が思っているよりも、かなり危機的な状況にある今。

役者は試されていますね。

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【おわり】

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回は『コロナ禍で見えた、これからの舞台興行に対する考え方』というテーマでお話させていただきました。

未だ解決の兆しが見えない新型コロナウィルス騒動。

どう戦っていくか、しっかり見据えなければいけませんね。

少しでも参考になってくれたら嬉しいです。

↓よければこちらの記事も合わせてお読みください。

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ひらき(@khiraki0201

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