こんにちは、ひらきです。
芸能の仕事の中でも、収入が多かったり少なかったり、労働時間が長かったり短かったりするものがあります。
働き方改革の一環で、2020年4月1日から全国で実施された新しい労働法「同一労働・同一賃金」は果たして芸能の仕事に影響しているのでしょうか?
そもそも「同一労働・同一賃金」という制度を理解しているでしょうか?
今回は『「同一労働同一賃金」芸能界の仕事には影響しているのか?』というテーマで、働き方についてのお勉強も兼ねてお話していきますね。
【プロフィール】
ひらき(@khiraki0201)
芸能プロダクション/株式会社K’sLink代表取締役。
→https://kslink.jp
10代から20代にかけて「芸能界で生きる」ためのノウハウを学び、30歳で起業。役者、アクション/スタント、ドラマ制作、舞台プロデュース、キャスティング、脚本や演出など幅広く活動中。
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・芸能界にはどんな影響が出ているのか?
「同一労働・同一賃金」とはどんな制度?
ます、「同一労働・同一賃金」とはどんな制度なのか?
別名:「パートタイム・有期雇用労働法」と言い、簡単に説明すると同じ職場で働く正規雇用者と、非正規雇用で働いている従業員の賃金や待遇の格差を無くしていこうという考え方です。
これまでの日本社会での働き方は、正社員と契約社員、パートやアルバイトなど雇用システムによって企業からの賃金や保証などの待遇に差がありました。
今まで労働基準法では一定のルールはありましたが、改めてこのような形で格差に対する労働法が実施されたのです。
正規雇用従業員と非正規雇用従業員の「不合理な待遇の格差」を解消するのがこの法案の目的なんですね。
まず、この〈同一労働同一賃金〉について深掘りしていきます。
今までの日本の労働
これまで日本の労働では、正規の雇用従業員が非正規の従業員よりもより良い環境・待遇で働けることが当たり前とされてきました。
給与面や福利厚生で受けられるサービスなどは正規の雇用従業員の方がはるかに優遇されています。
確かに仕事の責任面や業務内容を考えると、それが至極妥当だと考えちゃいますね。
しかし、同じ条件や内容で働く日雇用従業員も少なからずいるわけで、そんな働く従業員の格差をなくしていこうという考えがこの〈同一労働・同一賃金〉なのです。
「正規の雇用従業員と非正規の雇用従業員で、仕事内容が同じなのに環境や待遇が違う」
これを解消しようということです。
これはアルバイト先でも同じことが言えます。
これが覆されるとなると日本の労働制度は大きな変革になりますね。
どんな人が「同一労働・同一賃金」の対象になるのか?
では、どのような人がこのシステムの対象になるのか?
「自分には関係なさそうだ・・」
なんて思わないでください。
例え事業主でなかったとしても、これからお話することはしっかり頭に入れておくべき内容です。
非正規雇用の労働者の割合は約4割
2020年時点での日本の非正規雇用の労働者の数は約2,120万人と言われていて、これは「非正規雇用の労働者の割合は約4割」となっています。
しかもこの数字は今も増え続けています。
その理由としてまずあげられるのが「終身雇用保証制度の崩壊」です。
「定年退職まで安定して働ける」
「定年後は年金をもらいながら安定して生活できる」
もはやこんなシステムは崩壊しているのです。
なので正規の社員にはならず、副業を兼業しながらフリーランスとして活動する人が増えてきているわけなのです。
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同一労働同一賃金の3つの対象者
では〈同一労働同一賃金〉はどんな人が対象になるのか。
以下の3つの対象者になります。
・派遣労働者
・パートタイム労働者
上記の人たちはその企業にもよりますが、2002年4月1日から〈同一労働・同一賃金〉が施行されています。
しかし、無期限の雇用労働者はこの制度の適応外になってしまうので注意しましょう。
同一労働同一賃金のメリット・デメリット
では〈同一労働同一賃金〉の施行によって、どのような「メリット」と「デメリット」が発生するようになるのでしょうか。
同一労働同一賃金のメリット
これまで非正規雇用として働いていた人は、この制度により自身の働きを認めてもらうチャンスになります。
つまり「労働生産性の向上」が期待できるようになるのです。
給与形態や待遇が他の正規雇用の労働者と同じになればモチベーションも上がり、働きがいが生まれることによって労働意欲が高まります。
また、この制度をしっかりと企業が取り組めば「ここの会社はしっかりしている会社だ」と世間からの評価も高まります。
優秀な人材の確保にも繋がりますね。
同一労働同一賃金のデメリット
ではデメリットはどのようなものになるのでしょう。
まずは人件費の上昇です。
雇用形態を平等にしてしまえば、もちろん給与形態も正規労働者・非正規労働者ともに同等にしなければなりません。
逆に考えると、正規雇用者の労働賃金が企業によっては下がる可能性も出てきます。
また、派遣社員の導入なども縮小する恐れがあります。
雇う側からしたら、非正規労働者の雇用は大きな痛手になりかねないですからね。
それから非正規労働者同士での賃金格差が生じてしまうことも予想されます。
「同一労働同一賃金」芸能界の仕事には影響しているのかな?
長くなってしまいましたね、ここからが本題です。
ではこの〈同一労働・同一賃金〉が芸能界に影響しているのでしょうか?
結論から言うと、役者や歌手のような「表現者として表舞台に立つ人たちにはほぼ影響していない」です。
そもそも給与制の人が少ない
制作サイドでスタッフとして働く人ならまだしも、多くの方が社会人ではない表現者は月々決まった給与をもらっていません。
ほとんどの方が「フリーランス」という形でアルバイトや事業を行いながら生活しています。
むしろ働く時間や収入を制限されてしまっては、それで困る人の方が大半になってしまうのです。
まあ、やりたいことを仕事にしている人が多くいる業界ですから「働き方」に対しての意識がそこまで高くないのも実情ですけどね。
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現場での働き方には大きく影響している
ただし、テレビ局や制作会社を中心に、そこで働く「正社員の方々の働き方」にはかなり影響しています。
昔から「撮影現場は過酷な現場、朝から晩まで寝る間も惜しんで働く」が主流でしたが、近年は「週に〇〇日は必ず撮休を入れる」とか「〇〇時まで撮影したら翌日〇〇時までは動いてはダメ」など心身の健康を意識したスケジュールが組まれることが多くなりました。
これはあくまで〈正社員〉の場合です。
実は撮影現場のスタッフはほとんどが「フリーランス」や「事業主」なのです。
なので撮影現場では「社員は休んでいるのに外注フリーランスは働き続けている」という環境になってしまっているのです。
これは間違いなく、今後の大きな課題の一つです。
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【まとめ】
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回は『「同一労働同一賃金」芸能界の仕事には影響しているのかな?』というテーマでお話させていただきました。
少しでも参考になってくれたら嬉しいです。
↓今回のおすすめ参考書籍はこちらです。
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ひらき(@khiraki0201)